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研究対象の変遷について(その2)

既にくりかえし記したように、私は、あれこれと浅く広く原稿を書いてきました。

 

前任校の環境も、このようなスタイルへと私を規定し、また、このようなスタイルを支えてくれました。

 

南大沢に所在する東京都立大学/首都大学東京の法学部/法学系は、もともと*1法律学/政治学あわせて教員30名程度の小さい組織でした。

 

小さい組織ですから、多くの同僚と分野の垣根を越えて親しくなりました。南大沢の駅前でしばしば同僚と昼食や夕食を共にしたのは、懐かしい想い出です。これらの席ではしばしば各教員の研究にかかわることが話題となりますから、自然と隣接諸領域の存在を意識し、隣接諸領域から刺激/影響を受けるようになりました。この刺激/影響が研究対象/関心を拡張させました。

 

同僚に/同僚から研究上のアドバイスを求める/求められる機会が自然に増えたことも、私の場合、この延長線上にあったと言えるでしょう。共謀罪にかかわる論稿を準備する過程では、森肇志先生(国際法)に随分と教えを乞いました。また、谷口功一(法哲学)・宍戸常寿(憲法)の両先生には、同僚として過ごした時代から今に至るまで、しばしば執筆過程でアドバイスを頂いています*2。このような助力がなければ、「越境」した先の土地勘のない場所で遭難してしまっていたことでしょう。

 

大きな組織に移籍した今、私の学問のスタイルも私の学問上の財産も南大沢で形成されたと思うことが少なくありません*3

*1:法科大学院立ち上げ以前。法科大学院の立ち上げにより、それ以前と比較すれば、相対的には大きな組織になりました。

*2:なお、谷口功一『ショッピングモールの法哲学』(2015年、白水社)202頁以下も参照。

*3:なお、前掲・谷口『ショッピングモールの法哲学』の書評において、南大沢のことを少し書きました(法学セミナー725号(2015年)124頁)。同書ともども、こちらもよしなに。